今時の病院、入院事情

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7月から2ヶ月近く入院していた。今も自宅療養中である。

きっかけは、近所にある虎ノ門病院  分院での診察。
ちょっと便に血が混じっていて、痔かな?
でもなんか他に問題があれば嫌だし、
ここって消化器でも評判良いみたいだから念のために
そんな軽い気持ちで診察を受けに行ったら、
その場で入院しろと医師に怒られた。

後に告げられる病名なんて、これっぽっちも頭に無く。

僕の人生で、これが4度目入院
今までは生き方が災いしてか、全て整形外科での範疇だった。
同じ病棟の人達はみな、
片足とか片腕が無いとか、折れているなんて事はあっても、
休憩室で煙草を吸いながら、お菓子を食べながら、看護婦さんの
評論とか、馬鹿話をして、病棟内を闊歩して、明るく元気いっぱい、
入院生活をエンジョイしている人達ばかりだった。

点滴とか、酸素ボンベとかを引きずって、よたよた歩いている人なんて
別の階、別の病棟、別の世界のはなし?そんな入院経験しかなかった
いままでは。

それが今回はひと味も二味も雰囲気が違う。
僕もいい年なんだけど、それでも若い、しかも圧倒的に。
で、やっぱりみんな元気がない。
虎ノ門病院って、肝臓ではNo1の病院、
だから 回りはほとんど肝臓がらみで、余計、元気がない。

でも僕が驚いた、ここで書きたいのはそんなことではない。
患者とか病気とかの治療を受ける側の違いじゃなくて、
病院のサービスレベルの違い、20年前に入院した時と比べての、
治療を施す側の違いについてだ。

入院して最初に思ったのが、病室が本当に綺麗。
建物が新しくて、トイレも各室にあって、なんて言うハードの話しでは無く、
掃除の人が何度も何度も来る。そして綺麗にモップをかけて行く。
シーツなんかも基本は週1回交換なんだけど、汚れていたら即交換してくれる。
思わず、こんなので儲かってるの?儲かるってのは言葉がまずいか、
赤字にはならないの?なんて余計な心配をしてしまうぐらい。

次に驚いたのは、僕がまだなんとか歩き回れる時の事。
中心静脈カテーテルからの栄養に頼って、ものを食べることの出来ない僕が、
よたよたと 売店に飲み物を買いに行く途中のこと、
医師とすれ違った。すると医師の方が患者の僕に道をゆずる。
えぇっ?決して若い医師じゃない、それも一人だけじゃない。
見回してみると、ほとんどの医師が患者に道を譲っている。
胸を張って、廊下の真ん中を闊歩している。
そんな僕の医師に対する考えを大きく揺さぶる出来事だった。
まぁ 普通のサービス業であれば、極々当たり前のことなんだけどね。

でも一番、一番感心したのは、もっともっと目立たない事だった。
患者に対して治療だけではなく、時には精神面でも支えてくれる看護師さん達、
彼女たちが、なんと言ったらよいのだろう、とっても落ち着いている。

何が違うのだろうか?
以前のような過酷なシフトとか休暇が取れないなんて事も無いようだし、
きっと目に付き易い人件費とかだけで判断するわけではなくて、
離職率が高いと増大する教育や求人にかかる費用、サービスレベルの
維持の費用のような部分にまで視点を持って行った、総合的な労務の
進歩というものがあるような気がする。

普段身近にいる彼女たちがこんな風に精神的に安定しているということは、
治療を受ける側としては、ストレスを感じにくく、安心感があって、非常に良い。

これが20年の医療全体の進歩なのか、田舎の病院との違いなのか、
はたまた虎ノ門病院が取りわけ、すばらしい病院なのか、
僕には正確に判断する術がないのでわからない。が、

ただ、もっと近所にある、高津駅前の某大学付属病院、
外来に何度も行ったけど、その時の経験、病院の雰囲気、医師の態度を
思い浮かべると、そこに安心して行ける?と問われると、、

うーん、ちょっと無理かなと感じている。

ちなみに僕はサービス業に従事しているので、このあたりの考え方には
それなりの見識があると思っているし、かなり細かい所を見ているつもりである。

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このページは、ぱんだが2005年9月23日 05:42に書いたブログ記事です。

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