2018年5月アーカイブ

とあるおしゃれな鞄屋さん

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2年ほど前に、友人の娘さんがとあるおしゃれな鞄屋さんに就職しました。
派手なプロモーションが得意で、右肩上がりの業績が2016年度まで続いて行け行けの会社さん。ピークの年間売上は430億円だったのですが、最近はなんか調子が悪いみたいです。

実際に過去五年の公表されている数字を見てみると
あれれっ?ここだけを見ると500億円を目前に様々な問題が顕著化してきて、売上が鈍化し、やがては茹で蛙状態になる小売業の典型なのでは?


(千円)
  2014 2015 2016 2017 2018
総売上 31,578,000 40,294,000 43,409,000 35,446,000 32,158,000
商品資産 5,859,588 7,535,192 8,909,020 7,959,156 5,280,178
売上在庫比率 18.56% 18.70% 20.52% 22.45% 16.42%
販売管理費 18,485,586 22,845,543 25,391,258 23,597,001 22,772,491
  58.54% 56.70% 58.49% 66.57% 70.81%
経常利益 2,010,673 3,370,911 1,955,641 445,475 -1,736,339
売上利益率 6.37% 8.37% 4.51% 1.26% -5.40%
純利益 848,206 1,483,606 74,473 -479,758 -3,758,181

そんな縁もある会社さんなので時間があるときに自分なりの分析と対策すべきポイント・対策の考え方を書いていこうと思います。
(社長が広島出身であるとか、カープコラボしているとは影響あり・・・)

まず最初は丁寧に商品資産を明記されて居るで、ここから見ていきます。

不良在庫の圧縮は2016年度をピークにして、20.52%から16.42%まで4.1%のダウンで進んでいるかのようにむけられます。これは2017年度に在庫処分に力を入れていたように見受けられ、方向としては正しいのですが、それでもなお52億円の原価ベースでの在庫が残っており、キャッシュが眠っている事を意味します。
単純に言ってしまえばすべての在庫を60%オフで売ってしまえば、少なくとも経常ではイーブンに持って行けると言うことですよね。ただしファッション性の高い商材の場合2年落ち以上の商品がそんな価格では売れないと思います。

2,3年以上落ちの不良在庫、仲間内ではヘドロと呼びますが、これらはとても処分に困ります。放っておけば経費はかさみますし。
今まで関わってきたお客さんには様々な方法を提案させていただきましたが、正直言って特効薬なる物はありません。
それでもヘドロの処分は企業価値を立て直すための第一歩なので、複数の方法を組み合わせて地道に進める必要が有ります。

ちなみに今回の分析対象さんは単純に店舗に押しつけることで処分を進めたのですが、その弊害が現場レベルで徐々にあらわれてきているように見受けられます。どんな弊害が現れたのかについていずれ書くつもりですが、ボディーブローのようにじわじわと企業の価値を落としていく要因になるのではないでしょうか。


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